LINEリサーチでは、新型コロナウイルスに関する調査を定期的に実施しており、今回で5回目となります。
春からの半年間で、私たちの意識にはどのような変化があったのでしょう。また、自分が感染する可能性や感染した人に対する感情はどのようなものなのでしょうか。
春からの半年間で、私たちの意識にはどのような変化があったのでしょう。また、自分が感染する可能性や感染した人に対する感情はどのようなものなのでしょうか。
5回目となる今回は、前回調査からの変化と感染拡大の中での人々のいまの意識についてみていきたいと思います。


◆Topics◆
1.「8割以上が不安」半年間変わらぬ不安感2.7割弱が「自分も感染する可能性がある」と認識
3.感染した場合の不安「まわりの人に迷惑をかけること」
4.感染に謝罪は必要か?半数は「不要」と回答
5.新しい生活様式を頑張っている人は8割以上
6.「新しい生活様式」具体的な行動とは?
7.自分自身が感染したときのために
1.「8割以上が不安」半年間変わらぬ不安感
「日本国内の感染についてどのように感じるか」については、「不安を感じる」が85%と高い割合となりました。
過去5回の新型コロナウイルス関連の調査結果の推移をみると、緊急事態宣言中であった前回調査(4/16)よりは8ポイント減少したものの、その前の3月時点とは同水準であり、この半年にわたって継続的に多数の人が不安を感じている状態が続いています。
過去5回の新型コロナウイルス関連の調査結果の推移をみると、緊急事態宣言中であった前回調査(4/16)よりは8ポイント減少したものの、その前の3月時点とは同水準であり、この半年にわたって継続的に多数の人が不安を感じている状態が続いています。
2.7割弱が「自分も感染する可能性がある」と認識
次に、ご自身が新型コロナウイルスに感染する可能性について聞きました。
すると、7割弱が「感染する可能性があると思う」と回答しています。
すると、7割弱が「感染する可能性があると思う」と回答しています。

なぜ感染する可能性があると思うか聞いたところ、「だれもが感染しうる状況だから」が最も高く8割弱となりました。
次いで、「生活する以上、人との接触を完全に避けることはできないから」「無自覚・無症状の感染者は、あちこちにいるはずだから」「無自覚・無症状の人にうつされてしまう場合もあるから」があげられました。
次いで、「生活する以上、人との接触を完全に避けることはできないから」「無自覚・無症状の感染者は、あちこちにいるはずだから」「無自覚・無症状の人にうつされてしまう場合もあるから」があげられました。
3.感染した場合の不安「まわりの人に迷惑をかけること」
だれもが感染しうると多くの人が認識している中で、もし新型コロナウイルスに感染してしまったら、ということを考える人も少なくないと思います。
「もしも、新型コロナウイルスに感染した場合、どのようなことに不安を感じるか」を聞きました。
【全体】
共通して「まわりの人に迷惑をかけること」が最も高い結果になりました。
次は「確実に効く治療薬・治療方法がまだ確立されていないこと」「治っても、後遺症が残る可能性があること」「身近な人の中に重症化しやすい人がいたら、重症化させてしまうかもしれないこと」「自分が重症化する可能性があるかどうか、わからないこと」の順です。
【全体】
共通して「まわりの人に迷惑をかけること」が最も高い結果になりました。
次は「確実に効く治療薬・治療方法がまだ確立されていないこと」「治っても、後遺症が残る可能性があること」「身近な人の中に重症化しやすい人がいたら、重症化させてしまうかもしれないこと」「自分が重症化する可能性があるかどうか、わからないこと」の順です。
【年代別の傾向】
■10代:
全体順位と異なり、「まわりの人から非難されること」「勉強やトレーニングが遅れてしまうこと」、加えて「いまの人付き合いや人間関係をうしなってしまうかもしれないこと」が特に10代で高く、自分の生活がどう変わってしまうのか、という不安が強い傾向が見られます。
■10~20代:
「すでに無自覚に他の人にうつしてしまったかもしれないこと」などの不安があげられました。
■30~50代:
これらの年代の不安点は全体と同じ傾向ですが、加えて、「家族の世話ができなくなること」が他の年代より高い項目となりました。子育て世代の多い年代のため、自身が感染し入院したときの子供の世話をどうするかという現実的な生活の不安を感じる人が多いようです。
■60代:
「確実に効く治療薬・治療方法がまだ確立されていないこと」「自分が重症化する可能性があるか、分からないこと」「隔離生活を送ること」といった、自らの病状や重症化リスクについての不安が高くなっています。
全体順位と異なり、「まわりの人から非難されること」「勉強やトレーニングが遅れてしまうこと」、加えて「いまの人付き合いや人間関係をうしなってしまうかもしれないこと」が特に10代で高く、自分の生活がどう変わってしまうのか、という不安が強い傾向が見られます。
■10~20代:
「すでに無自覚に他の人にうつしてしまったかもしれないこと」などの不安があげられました。
■30~50代:
これらの年代の不安点は全体と同じ傾向ですが、加えて、「家族の世話ができなくなること」が他の年代より高い項目となりました。子育て世代の多い年代のため、自身が感染し入院したときの子供の世話をどうするかという現実的な生活の不安を感じる人が多いようです。
■60代:
「確実に効く治療薬・治療方法がまだ確立されていないこと」「自分が重症化する可能性があるか、分からないこと」「隔離生活を送ること」といった、自らの病状や重症化リスクについての不安が高くなっています。
4.感染に謝罪は必要か?半数は「不要」と回答
新型コロナウイルスに感染した団体や有名人などが、感染の謝罪を行う報道もありましたが、こういった謝罪行動についてどのように感じているかを聞きました。
すると、約半数の人が「謝罪は必要ないと思う」と回答、「謝罪は必要だと思う」は2割以下と少数派となりました。また、「どちらともいえない」は3割強を占めました
すると、約半数の人が「謝罪は必要ないと思う」と回答、「謝罪は必要だと思う」は2割以下と少数派となりました。また、「どちらともいえない」は3割強を占めました

それぞれの回答理由をみてみると、
「謝罪が必要ない」理由については「感染対策や注意した行動をとっていて感染したのなら、やむを得ないから」「感染対策や行動の有無に関わらずだれでも感染しうる状況だから」が多く、「自分も感染するかもしれないから」「すでに自分の注意で何とかなる段階を超えて広がっているから」と続きました。
一方、「謝罪が必要だと思う」理由については「どんな理由があっても、感染したらまわりの人に迷惑をかけるから」という理由が最も高く、次いで「感染したということは感染対策が足りなかったからということだから」があげられました。
前提として、不注意な行動は慎むべきですが、完全には防ぎきれないことだから不要だという意見と、それでも実際に迷惑をかけるのだからという意見があるようです。
その他では、以下のような意見も見られました。
・やるべき努力をしていて、広がった可能性が多く、本来、謝る必要がない場合が多いとかんがえます。
・迷惑はかかるが、インフルエンザのように誰にでも感染の可能性があるのでそこまで必要性を感じない。
・場合による。対策が不十分だったり、無責任な行動が原因であれば謝罪はすべきと思う。
(※「その他」選択肢の自由記述回答から抜粋)
5.新しい生活様式を頑張っている人は8割以上
多くの人が、「生活している以上、対策をしていても誰もが感染しうる状況ではある」という認識をしています。
そんな中で、新たな生活スタイルとして、「withコロナ」「ニューノーマル」など、これまでの生活とは異なるルールやライフスタイルが提唱されています。
実際に8月末の調査時点でこの新しい生活様式にどのくらい取り組んでいるかを聞きました。
全体でみると、8割以上が「新しい生活様式」を頑張っていると回答しました。
また、前項でご紹介した「不安」の感じ方別にみてみると、「不安に感じる人」ほど、新しい生活様式で生活をすることを日々頑張っていることがわかります。 「不安に感じている」からこそ、日々の行動の中で対策できること、生活の中で感染しないように行動をすることを意識している人が多いようです。
全体でみると、8割以上が「新しい生活様式」を頑張っていると回答しました。
また、前項でご紹介した「不安」の感じ方別にみてみると、「不安に感じる人」ほど、新しい生活様式で生活をすることを日々頑張っていることがわかります。 「不安に感じている」からこそ、日々の行動の中で対策できること、生活の中で感染しないように行動をすることを意識している人が多いようです。
6.「新しい生活様式」の具体的な行動とは?
新しい生活様式を取り入れながらの生活は、これまでの日常とは異なり、行動を自粛することも多くあると思います。そこで「日常生活で控えていること・中止していること」を聞きました。
前回調査においても実施したため、緊急事態宣言下の前回との比較結果をお伝えします。
今回調査では、「飲食店や居酒屋」「カフェ」、「食料品・生活費需品以外の買い物」、「美容室・理容室」「習い事」などに行くことを控えることは大幅に減少し、活動し始めていることがわかります。
一方、「カラオケ」や「バー・ナイトクラブ」などは、引き続き行動を控えているようです。
また、今回の調査が8月であったため本来需要が高まる「泊まりの旅行に行く」や「ライブやイベントに行く」は、控えた、中止したという回答が多くなっています。 多くの人が、再開する行動と、引き続き自粛をする行動を意識的に選択している傾向がわかります。
前回調査においても実施したため、緊急事態宣言下の前回との比較結果をお伝えします。
今回調査では、「飲食店や居酒屋」「カフェ」、「食料品・生活費需品以外の買い物」、「美容室・理容室」「習い事」などに行くことを控えることは大幅に減少し、活動し始めていることがわかります。
一方、「カラオケ」や「バー・ナイトクラブ」などは、引き続き行動を控えているようです。
また、今回の調査が8月であったため本来需要が高まる「泊まりの旅行に行く」や「ライブやイベントに行く」は、控えた、中止したという回答が多くなっています。 多くの人が、再開する行動と、引き続き自粛をする行動を意識的に選択している傾向がわかります。
7.自分自身が感染したときのために
もし自身が感染してしまった場合、知っておきたい知識をどのくらい把握されているか聞いてみました。
すると、「新型コロナウィルスを疑うべき症状」は6割、「職場や学校に知らせる基準や、職場や学校内の連絡先」「感染したら、してはいけないこと」は4割、多くの知識や情報を持っていることがわかりました。
また、診察や検査の連絡先、重篤化の条件、同居者への注意などは3割の人が知っていると回答。情報として今知らなくても「調べればわかると思う」と考えている人も3割と多く、どうすればいいのかわからない人は3%にとどまりました。 感染してしまった場合も多くの人が冷静に行動できるであろうことがわかります。
また、診察や検査の連絡先、重篤化の条件、同居者への注意などは3割の人が知っていると回答。情報として今知らなくても「調べればわかると思う」と考えている人も3割と多く、どうすればいいのかわからない人は3%にとどまりました。 感染してしまった場合も多くの人が冷静に行動できるであろうことがわかります。
春からずいぶんと長い期間不安が高い状態が続いていますが、今回の調査では多くの人が生活の中で行動を取捨選択し、頑張って状況に適応していることが分かりました。
今、新型コロナウィルスは、誰もが感染しうる状況です。自衛しつつも、事実上感染を完全に防ぐことは不可能だと多くの人が理解しています。
私たちがもし感染したら一番の不安点は「まわりの人への迷惑」でした。社会的圧力が怖いというよりは、純粋に自分から他の人へうつして大変なことになってしまわないようにと、気を張っている姿がそこにはありました。
感染した場合に謝罪の報道がたまにありますが、「感染したら謝罪すべし」というのも決して大多数の意見とは言えませんでした。
周りの人に迷惑や負担をかけるという意味では、心情的に謝りたくなるのは自然なことで、今後も謝罪は見かけるかもしれませんが、根本的に感染自体はだれにでもおこりうることで、本人に感染の責があるわけではありません。
そのことを、大多数の人が、互いに正しく理解しています。
今、新型コロナウィルスは、誰もが感染しうる状況です。自衛しつつも、事実上感染を完全に防ぐことは不可能だと多くの人が理解しています。
私たちがもし感染したら一番の不安点は「まわりの人への迷惑」でした。社会的圧力が怖いというよりは、純粋に自分から他の人へうつして大変なことになってしまわないようにと、気を張っている姿がそこにはありました。
感染した場合に謝罪の報道がたまにありますが、「感染したら謝罪すべし」というのも決して大多数の意見とは言えませんでした。
周りの人に迷惑や負担をかけるという意味では、心情的に謝りたくなるのは自然なことで、今後も謝罪は見かけるかもしれませんが、根本的に感染自体はだれにでもおこりうることで、本人に感染の責があるわけではありません。
そのことを、大多数の人が、互いに正しく理解しています。
万が一自分や周りの人が感染をしてしまったとしても、今は情報も受け取りやすくなってきました。
今回の結果からも明らかになったように、感染時の必要な情報入手方法や手続きを、ほとんどすべての人が分かっています。落ち着いて慌てずに対処していきましょう。
【関連調査】
【調査について】
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の15歳~69歳の男女
実施時期:①2020年2月5日実施 ②2020年2月19日実施 ③2020年3月2日実施 ④2020年4月16日実施 ⑤2020年8月31日実施
有効回収数:①5,233名 ②5,024名 ③4,991名 ④10,442名 ⑤10,448名
※LINEユーザーの性年代構成比にあわせてウェイトバック
※各回フレッシュサンプルで実施
【調査データの引用・転載について】
【調査データの引用・転載について】
調査データの引用・転載の際は、必ず「出典:LINEリサーチ」と明記いただけますようお願いいたします。引用・転載先がWebページ(メディア/ブログ等)である場合には、該当ブログ記事のURLをリンクしてご掲載ください。
報道関係者様による引用の場合、利用・掲載状況の把握のため報道関係のお客様からのお問い合わせまでご連絡いただけると幸いです。
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