世の中にはたくさんの本がありますが、イマドキの高校生はどのくらい本を読んでいるのでしょうか。今回は高校生に人気の小説や、どんなきっかけで本を読むかなど、高校生の読書事情をリサーチしました。
※本記事での本は、マンガやコミックを除いたものです。

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◆Topics◆

1.全体の約8割が読書の習慣あり!
2.「月に1冊以上読む」という人が6割以上!
3.「紙の本を本屋で買う」が8割強、「電子書籍」は1割程度
4.読む本のジャンルは?男女ともに圧倒的に「小説・ライトノベル」
5.読むきっかけは、本に書かれている内容や好きな作家の作品が上位
6.本屋大賞1番人気は「キミスイ」で5割弱が読了

1.全体の約8割が読書の習慣あり!

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「ふだん読書をするかどうか」を質問したところ、全体の約8割が「読書する」と回答。男女別にみると「読書する」というJKは85%、DKは73%となり、JKのほうがDKに比べて読書をする割合がやや高い傾向がありましたが、男女ともにふだんから読書をしていることがわかります。


2.「月に1冊以上読む」という人が6割以上!

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ふだん読書をすると回答したJK・DKに、本を読むペースについて聞いてみました。
すると、1か月に1冊以上、読書をする高校生は6割を超えていました。その内訳は「月に1冊くらい」が最も多く全体の約3割、次いで「月に2~3冊くらい」という人が2割強いることがわかりました。

男女別にみると「読書する」割合はJKのほうが高めでしたが、「読書する」と答えた高校生の中で比較すると、JKよりDKのほうがより頻繁に本を読んでいる傾向がありました。1か月に1冊以上「読書する」割合は、DKが約7割、JKが約6割。さらに「1週間に1冊以上」というペースで読書をする高校生は、JKの1割に対してDKは2割でした。
また、学年別にみると1~2年生のほうが3年生よりも本を多く読む傾向がありました。


3.「紙の本を本屋で買う」が8割強、「電子書籍」は1割程度

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続けて、ふだん読書をするJK・DKに「どのように読んでいるか」聞いてみました。

最も多いのは「本屋などのお店で買う」でJK・DKともに8割超えでした。2位は「図書館・図書室で借りる」、以降は「古本屋/リサイクルショップで買う」「家族・友だちから借りる」「インターネットで買う」でした。

男女別にみると「図書館・図書室で借りる」、「家族・友だちから借りる」は、DKよりもJKのほうが高くなりました。気になる本を図書館や図書室で探したり、友だちからおすすめの本を借りたり、本を借りて読む派はJKのほうが多いのかもしれません。一方「インターネットで買う」はJKよりもDKのほうがやや高い結果となりました。

また「図書館や図書室で借りる」と回答したのは1年生の割合が高めで、3年生は「インターネットで買う」割合が増える特徴がありました。
読書のスタイルでみると、「電子書籍」で読む高校生はわずかで、「紙の本」で読む高校生が圧倒的に多いことがわかりました。


4.読む本のジャンルは?男女ともに圧倒的に「小説・ライトノベル」

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ふだん読んでいる本のジャンルを聞いてみました。
全体のTOPは男女ともに「小説・ライトノベル」で約8割と、圧倒的な人気です。男女別では、2位以降の順位に差が出ています。
JKは「写真集・タレント」のジャンルが2位にランクイン。DKではランク外となっており、アイドルの写真集やタレント本などはJKに特に好まれる傾向があるようです。
DKは2位に「エンターテイメント・ゲーム」3位に「歴史・伝記・地理」がランクイン。JKでは8位、10位となっており、男女で好みの差がはっきり分かれる結果となりました。

一方でJK・DKともに人気が高かったのが「語学・教育・受験」のジャンル。男女ともに比較的上位にランクインしており、関心の高さがうかがえます。また、高校生になって楽器やバンドを始める人も多いのか、「楽譜・スコア・音楽書」は学年が低いほど人気がありました。


5.読むきっかけは、本に書かれている内容や好きな作家の作品が上位

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ふだんよく読むジャンルでダントツの人気だった「小説・ライトノベル」について、読むきっかけになるのはどんなときか聞いてみました。
全体で最も多いのは「おもて表紙のデザインや書かれていることを見て」で5割弱でした。次いで「好きな作家の作品・新作が出たとき」「ドラマや映画、アニメなどの原作だと知ったとき」と続きます。男女ともに、書店などで本を手に取って、本に書かれていることを読んで興味を持つきっかけになる人が多いようです。また好きな作家の新作や、見ているドラマなどの原作本情報などもチェックしているJK・DKも多そうです。

男女別にみると、JKのランキングTOP3は「おもて表紙のデザインや書かれていることを見て」や「好きな作家の作品・新作が出たとき」、「裏表紙に書かれているあらすじなどを見て」となっており、また4位に本の帯、グラフにはありませんが7位に店頭ポップなどがランクインしていることから、本のあらすじや紹介文を読むことで、興味につながりやすいようです。
DKのTOP3は「好きな作家の作品・新作が出たとき」、「ドラマや映画、アニメなどの原作だと知ったとき」、「おもて表紙のデザインや書かれていることを見て」という結果に。DKは作家や、気になる作品の原作作品、映像化の有無、SNSでの話題性などがきっかけに。映像作品への興味と、読む本への関連性が高い傾向がありそうですね。


6.本屋大賞1番人気は「キミスイ」で5割弱が読了

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新刊を扱う書店の店員によって投票され、その年のノミネート作品や受賞作が決まる「本屋大賞」ふだん読書をするJK・DKの中で5割強が、2016年~2020年の本屋大賞1~5位に選ばれた作品のいずれかを読んでいることがわかりました。そこで、過去5年間の本屋大賞受賞の上位5作品から、高校生に多く読まれた作品についてランキングでみてみましょう。

1位は「君の膵臓をたべたい」で5割弱「キミスイ」と略称されているこの作品は、映像化/漫画化もされており、高校教師が高校時代を振り返るという設定が親しみやすいようです。学年別では、1年生に特に人気がありました。
2位の「羊と鋼の森」、3位の「かがみの孤城」、4位の「蜜蜂と遠雷」は読了した高校生がいずれも1割台と僅差。5位以降は、映画化や舞台化された作品が多数ランクインしています。また10代が主人公の作品が、10作品中8作品ランクインしていました。同年代の共感しやすいキャラクター設定が選ばれる理由かもしれません。
2021年の本屋大賞の発表は4月14日とのことで、ノミネート作品も含めまた読書の楽しみが増えそうですね。


イマドキの高校生は、男女問わず定期的に本を読んでいることがわかりました。書店などで本に書かれていることをじっくり見たり、好きな作家の新作を楽しみにしたりと本に親しんでいるのかもしれません。これからもさまざまなジャンルの本を楽しめるとよいですね。


【調査について】

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の高校1年生~3年生の男女
実施時期:2021年1月13日~14日
有効回収数:1045サンプル
※表/グラフ中の数字は小数点以下第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならないことがあります。

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