LINEリサーチで定期的に調査を実施している「金融に関する調査」の最新版をお届けします。 マネー・決済系サービスの認知・利用状況や店頭払いの方法として「スマホ決済」の利用率がどのように変化してきているでしょうか。

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また、人生100年時代に向けて、長期のマネーライフプランを考える上でお金の貯め方や使い方の見直し、資産形成や資産運用への意識が高まりつつあります。そこで、今回は投資型の金融商品の認知や加入/取引状況もご紹介していきます。

◆Topics◆

1.スマホ決済の認知率は約9割、利用率も6割超と昨年から14ポイント大幅上昇
2.すべての年代で「スマホ決済」の利用率が伸長、30代では7割超え
3.店頭支払いは遂に「スマホ決済派」5割超、「現金払い派」はやや減少傾向
4.投資型商品の認知率は6割超。加入/取引状況は上昇傾向、特にNISA/つみたてNISAが伸長
5.資産を増やすために「節約」「貯金」が約半数、「資産運用/投資」は30代で3割弱

1.スマホ決済の認知率は約9割、利用率も6割超と昨年から14ポイント大幅上昇

15歳~69歳の男女を対象にマネー・決済系サービスについて、「内容がどのようなものか知っているもの」を聞いたところ、「スマホ決済」の認知率がもっとも高く、全体で約9割でした。昨年から6ポイント上昇しており、多くの人にスマホ決済の存在が浸透していることがわかります。
次いで、「ネットバンキング(インターネットでの金融機関の取引)ができるアプリ」や「スマホ同士での個人間送金サービス」は5割台となっています。

次に、20歳以上の方を対象に聞いた「ふだん使っているもの (利用率)」 の結果をみていきましょう。すると、すべてのマネー・決済系サービスの利用率が上昇傾向にありました。そのなかでも「スマホ決済」がもっとも高く6割超となり、昨年から14ポイント大幅に上昇しています。

また、今年から聴取項目として追加した「ネットバンキング(インターネットでの金融機関の取引)ができるアプリ」は3割超で、特に30代の利用率が高くなっています。「スマホ同士での個人間送金サービス」では、昨年に比べて7ポイント上昇、2割弱まで伸長しています。特に20代での割合が他の年代よりも高く、2割超となっています。「投資ができるアプリ」も上昇傾向にあり、1割台に届いてきており、30~40代においては1割超という結果でした。一方で、選択肢のなかでふだん利用しているものが「ひとつもない」または、いずれの「認知サービス/アプリなし」という人の割合は全体で約3割で、60代ではやや高くなっています。

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2.すべての年代で「スマホ決済」の利用率が伸長、30代では7割超え

ここからは、「スマホ決済」の年代別の利用状況をみていきましょう。
利用率はすべての年代で6割以上となっており、伸長傾向にあることがわかりました。特に30代は7割と他の年代に比べて高くなっています。利用率が伸びている背景として、感染症の対策のひとつとしても注目されている非接触型の決済の普及によって進んだキャッシュレス化の影響やポイント還元などさまざまなメリットが相乗効果を生んで利用促進につながっていると考えられます。

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3.店頭支払いは遂に「スマホ決済派」5割超、「現金払い派」はやや減少傾向

次に、ふだんの店頭での支払い方法について聞いたところ、例年同様にクレジットカードなどの「カード払い派*」がもっとも高く6割台、次いで「現金払い派」が57%、「スマホ決済派*」が53%と続いています。
「現金払い派」は、10代ではまだまだ高いものの全体的にやや減少傾向で6割を下回っています。一方で「スマホ決済派」は年々上昇傾向にあり、遂に5割を超えました。グラフにはありませんが、2018年では19%だったことから、3年余りで3倍以上に拡大していることがわかります。

*カード払い派・・・クレジットカード、交通系ICカード、ショッピング系電子マネーのカード、QUICPay・iDカード、デビットカード、その他のカード
*スマホ決済派・・・おサイフケータイ、Apple Pay、Google Pay、モバイルSuica、モバイルPASMO、楽天ペイ、QUICPayモバイル・iD、PayPay、LINE Pay、メルペイ、d払い、au PAY、キャリア決済、その他のスマホ決済

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4.投資型商品の認知率は6割超。加入/取引状況は上昇傾向、特にNISA/つみたてNISAが伸長

続いて、預金や株式といった金融関連の商品についての認知や利用についてはどのような傾向があるのでしょうか。
預金*(普通、定期、外貨預金)は全体で9割超とほとんどの人に認知がされていることがわかりました。また、投資型の金融商品*(株式、投資信託、NISA、iDeCo、暗号資産など)は6割超となっています。以下のグラフでその内訳をみてみると、「株式」が5割超ともっとも高く、次いで「NISA/つみたてNISA」「投資信託」が4割台で続いています。

2018年から導入された「つみたてNISA」、加入可能年齢の改定前の「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の影響もあってか注目が集まってきており、認知率はそれぞれ3~4割程でした。

*預金・・・普通預金 (日本円)、定期預金 (日本円)、外貨預金 (外貨:ドルなど)
*投資型の金融商品・・・株式 (国内、海外)、投資信託、債券、NISA/つみたてNISA、個人型確定拠出年金 (iDeco)、国為替取引 (FX)、暗号資産 (FT、仮想通貨)、NFT (非代替性トークン)、その他の投資商品

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続いて、20歳以上の方を対象に聞いた「投資型の金融商品」の加入/取引状況を詳しくみてみましょう。「株式(国内、海外)」は徐々に上昇傾向にあり2割弱まで伸びてきています。「NISA/つみたてNISA」「投資信託」においても昨年から3~5ポイント上昇し、15%となっています。「個人型確定拠出年金(iDeCo)」もやや上昇傾向にあります。その他の商品・サービスをみてみると横ばいで大きな差はみられませんでした。

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5.資産を増やすために「節約」「貯金」が約半数、「資産運用/投資」は30代で3割弱

ここからは、自分のお金や資産を今後増やしていきたい意向や、そのためにしていることについてみていきましょう。

20歳以上の方を対象にお金や資産を増やすために、ふだんしていること聞いたところ、「特にしていない人」は全体で1割台にとどまり、資産を増やすために何かしらしているという人が多いことがわかりました。実際にしている内容をみると、「節約をする」「貯金をする」がTOP2でそれぞれ5割弱でした。次いで「資産運用/投資(株/投資信託/FXなど)をする」「いらないものを売る」「いまの仕事で収入を増やす」が約2割となっています。

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最後に、お金や資産を増やすために、ふだんしていることを年代別にみていきます。 「節約をする」はすべての年代で5割弱と高くなっており、ふだんの生活の中で支出の見直しができるため身近な方法として取り入れている人が多いことがわかります。
「貯金をする」では20~30代の割合が高く、特に女性20~30代では6割超となっています。「資産運用/投資 (株/投資信託/FXなど) をする」「いまの仕事で収入を増やす」では、いずれも30代で割合が高く、男性30代では3割前後と他の年代に比べて割合が高い傾向にありました。同様に「いらないものを売る」も30代で割合が高くなっていますが、こちらは女性30代で3割超えとなっています。
また、「アルバイトやパートをする」は20代で高い傾向となりました。「宝くじを買う」は年代があがるにつれて高くなる傾向にあり、50代以上では3位と上位になっています。
一方で「特にしていない」という人はすべての年代で1割前後、年代が高くなるほど割合がやや高くなる傾向にありました。

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今回の調査では、お店での支払いが「スマホ決済派」が5割を超え、3年前と比べて大幅な上昇がみられました。「カード払い派」と合わせると、今後さらにキャッシュレス化が進むことが予想される結果となりました。また、投資型の金融商品の利用状況をみても年々上昇傾向にあります。将来的に資産を増やしたいという意向が高まりつつある中で、「節約」や「貯金」という選択肢に加えて資産形成・資産運用への意識や関心が高まってきているのかもしれません。


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