LINEリサーチでは、2020年2月より新型コロナウイルスに関する調査を継続的に実施しており、今回で8回目となります。 今回は、前回調査から1年半と期間を空けて実施しました。新型コロナウイルスの感染拡大が収束しつつある中で、かつ2023年5月8日の5類移行後に実施した調査になります。調査開始時点の2020年から現在に至るまでの不安度の推移、5類感染症移行に対する期待や不安などの調査をしましたのでご紹介します。

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◆Topics◆

1. 新型コロナの5類移行は、9割以上の認知。内容認知も8割超に
2. 5類移行により不安に思うことは「感染の再拡大」がどの年代でも高い
3. 5類移行後に期待することは、「日本経済の回復/成長」。10代では「学校行事の再開」が1位
4. コロナへの不安度は30ポイント以上減少し5割台に。若年層では特に低い傾向

1. 新型コロナの5類移行は、9割以上の認知。内容認知も8割超に

2023年5月8日に、新型コロナウイルスの感染法上の分類が「5類」に引き下がったことについて、知っているかどうか聞きました。(2023年5月9日調査時点)

全体で、「知らない」はわずか3%となりました。
年代別にみても、10代で「知らない」割合が1割程度とやや他の年代より高くなるものの多くの人が認知していることがわかります。また、「内容を詳しく知っている」と「詳しくはないが、ある程度内容を知っている」を合わせた【内容を認知している人】も8割超となり、多くの人が5類感染症移行について認識している様子です。
5類移行認知

2. 5類移行により不安に思うことは「感染の再拡大」がどの年代でも高い

次に、新型コロナの5類感染症移行に伴い不安なことがあるか聞きました。

年代別の傾向をみると、どの年代も不安なことは「感染の再拡大」がもっとも高くなりました。年代が上がるほどその割合が高く、50代以上では6割超となっています。
次いで、「医療費の自己負担額の増加」や「新しい変異株の出現」が上位となり、いずれの項目も30代以上の年代で4割~5割台となりました。特に、50代、60代で5割超と他の年代に比べて高くなりました。
一方で、10代は「特にない」が3割、20代も2割台半ばとなりました。
グラフにはありませんが、20代で「テレワーク/在宅勤務、オンライン授業の減少」が2割弱と他の年代に比べて高い傾向となりました。

年代別5類不安項目


3. 5類移行後に期待することは、「日本経済の回復/成長」。10代では「学校行事の再開」が1位

続いて、5類感染症移行に伴って期待していることを聞きました。こちらも年代別にみていきます。

10代では「学校行事の再開」がもっとも高く5割となりました。次いで「中止となっていたイベントやコンサートの再開」、「イベントやコンサートの人数制限の廃止」が4割台で続きます。これまで中止になっていた行事やイベントへの期待が高いことがわかります。

「国内旅行や帰省がしやすくなること」は、20代以降で4割前後と上位に入っていることから、今年の夏休み旅行やお盆休みの帰省などを検討する人が増えてくるかもしれません。 30代以降では、「日本経済の回復/成長」がもっとも高く5割前後となりました。 また、60代では「病院や施設にいる人に面会禁止の撤廃」が4割台後半となり、他の年代と比べて高い結果となりました。

年代別5類期待項目

4. コロナへの不安度は30ポイント以上減少し5割台に。若年層では特に低い傾向

次に、新型コロナウイルスの日本国内での感染について、不安度を7段階で回答いただきました。5類感染症移行後の今回調査ではどのように変化したでしょうか。

前回1年半前の2021年9月の調査では「とても不安に感じる」「不安を感じる」「やや不安を感じる」を合わせた【不安を感じる】割合は88%だったのに対して、今回調査では54%と30ポイント以上の大幅減少となり、これまでの調査でもっとも低くなりました。

特に顕著な点が「とても不安を感じる」の割合です。前回調査では緊急事態宣言中ということもあり36%とこれまでの調査の中でも高い割合でしたが、今回は8%と1割未満となりました。前段の【不安を感じる】割合と同様にこれまでの調査の中でもっとも低くなり、新型コロナウイルスの感染について強い不安を感じる割合は大きく減少したといえます。

※1章でご紹介した《「5類感染症」に移行したことを知っていますか?》の設問の前に聴取しています。よって、この設問による上記不安度の結果への影響はありません。

不安度


また、年代別にみると傾向がはっきりと分かれています。
年代が上がるほど、【不安を感じる※1】割合は高く、年代が下がるほど【不安を感じない※2】割合が高くなります。特に10代、20代では【不安を感じない】が4割以上となっており、年代によって日本国内の感染に対する不安に大きな違いがみられることがわかりました。前項の5類感染症移行後に不安なことについても10代、20代では「特にない」の割合が他の年代に比べ高かったことからこの年代では今回調査時点での不安はこれまでに比べ和らいでいる様子です。
※1.「とても不安に感じる」「不安を感じる」「やや不安を感じる」の合計
※2.「あまり不安を感じない」「不安を感じない」「まったく不安を感じない」の合計



不安度年代別

不安を感じる理由・感じない理由を自由記述形式で回答いただきましたので一部ご紹介します。

▼不安に感じる理由
「落ち着いているとはいえ、第9波が懸念される(女性/30代)」
「変異株が発生し、流行するかもしれない(男性/60代)」
「周囲の人の多くがマスクを外し始めたから(女性/10代)」
「未知のウィルスである以上何があっても対処の仕方がない(女性/60代)」

▼不安を感じない理由

「もう5類に下がって、扱いが緩和されたから(女性/10代)」
「インフルエンザと同じ扱いとなり、病院にかかりやすくなるから(男性/30代)」
「以前は怖かったが、ワクチンなどの対抗策で現在は不安を感じない(男性/40代)」
「ワクチンを打っているし、それぞれに気をつけて生活しているので(女性/60代)」



今回は、5類感染症移行後の調査ということもあり、全体的に不安は減少する結果となりました。
しかしながら、感染の再拡大や新しい変異株の出現に不安を感じている人も少なくないようです。一方で、5類感染症に移行したことでこれまでできなかった学校行事やイベント、日本経済の活性化などに期待を持っている人もいました。いずれにしても5類への移行は1つの区切りとなるタイミングとなりそうです。今後の様々な対応や変化にも注目しつつ行事やイベント、帰省、経済の活性化などぜひ期待してきたいですね。

【関連調査】


【調査について】

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の15歳~69歳の男女
実施時期:①2020年2月5日実施 ②2020年2月19日実施 ③2020年3月2日実施 ④2020年4月16日実施  ⑤2020年8月31日実施 ⑥2021年2月19日実施 ⑦2021年9月8日実施
有効回収数:①5,233名 ②5,024名 ③4,991名 ④10,442名 ⑤10,448名 ⑥10,295名 ⑦10,454名
※LINEユーザーの性年代構成比にあわせてウェイトバック

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