LINEリサーチでは、全国12歳~59歳の男女を対象にテレビ・メディアの視聴実態に関する調査を行い、その結果を3回にわたってご紹介しています。第1回目は「デバイス保有率とテレビ番組の視聴方法」について、第2回目は、「動画配信サービスの利用状況とその理由」について、第3回目の最終回では、「テレビ」と「動画配信サービス」の視聴実態について調査結果を比較しながら詳しくみていきます。

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◆Topics◆

1.1日の平均視聴時間「テレビ放送」と「動画配信サービス」の傾向
2.『テレビ番組』と『動画配信サービス』の視聴タイミング
3.年代別『テレビ番組』と『動画配信サービス』の視聴タイミング
4.『テレビ番組』と『動画配信サービス』のよく見るジャンル
5.年代別『テレビ番組』と『動画配信サービス』のよく見るジャンル

1. 1日の平均視聴時間「テレビ放送」と「動画配信サービス」の傾向

はじめに、視聴時間について比較していきましょう。
「テレビ放送(リアルタイム/録画)を見ている」と回答した人、「動画配信サービス※を見ている」と回答した人に1日あたりの平均視聴時間を聞きました。
※動画配信サービス(有料・無料含む動画コンテンツを配信しているサービス)

「テレビ放送(リアルタイム/録画)を見ている」人は、全体で1日あたりの平均視聴時間が136分と2時間を超え、年代が高くなるにつれて長くなる傾向にありました。50代では159分ともっとも長いことがわかります。10代と20代では、116分と2時間は切っているものの長い時間視聴されている様子がうかがえます。

一方「動画配信サービスを見ている」人は、全体で1日あたりの平均視聴時間が93分となり、若い年代ほど長い傾向にありました。10代では120分となり、「テレビ放送(リアルタイム/録画)を見ている」人の116分をやや上回る結果となりました。30代以降では100分を下回り、50代では77分ともっとも低くなりました。
全体の傾向としては「テレビ放送(リアルタイム/録画)」のほうが「動画配信サービス」よりも視聴時間が長くなっていることがわかります。

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2.『テレビ番組』と『動画配信サービス』の視聴タイミング

次に、ふだん「テレビ放送(リアルタイム/録画)を見ている」人にはテレビ番組を見るタイミング、「動画配信サービスを見ている」人には動画配信サービスを見るタイミングについて聞きました。

『テレビ番組』を見るタイミングは、全体TOPは「夜の食事をしながら」が58.0%、2位は「居間やリビングでくつろぎながら」が53.5%、3位以降は「朝の食事をしながら」「朝の身じたく中」が3割台で続きます。「居間やリビングでくつろぎながら」を除く上位項目をみると食事や身じたくをしながらなど、何か別のことをしながら『テレビ番組』を見ている“ながら見”の様子がうかがえます。これらの項目は『テレビ番組』のほうが『動画配信サービス』に比べて20ポイント以上高い結果でした。

『動画配信サービス』を見るタイミングは、全体TOPは「居間やリビングでくつろぎながら」が47.2%、2位は「寝る前に、ベッドやふとんなどの中で」が45.6%と僅差で続きます。2位の「寝る前に、ベッドやふとんなどの中で」で見る人は『動画配信サービス』のほうが『テレビ番組』に比べて30ポイント以上も高い結果でした。自分のベッドや部屋などひとりの時間に見る人が多いようです。また、7位の「仕事や学校の休み時間」、9位には「帰宅中」が入り、休憩中や移動時間に見ていることがわかります。

『テレビ番組』と『動画配信サービス』を見るタイミングの共通点として、食事中やリビングなどでくつろいでいるときに番組やコンテンツを楽しんでいる様子がうかがえます。

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3.年代別『テレビ番組』と『動画配信サービス』の視聴タイミング

年代別に『テレビ番組』を見るタイミングをみると、すべての年代で「夜の食事をしながら」「居間やリビングでくつろぎながら」がTOP2となりました。「夜の食事をしながら」では、すべての年代で5割超、20代と50代では6割超となり、多くの人が夕食時間にテレビ番組をみていることがわかります。「居間やリビングでくつろぎながら」では、30代以降で5割超となっていました。「朝の身じたく中」では、30代と40代で3割超。テレビ番組を見るタイミングは、ほとんどの項目で年代差はあまりみられませんでした。

『動画配信サービス』を見るタイミングをみると、「自分の部屋でくつろぎながら」が10代でもっとも高く5割超となり、若年層ほど割合が高くなる傾向にありました。「寝る前に、ベッドやふとんなどの中で」は、すべての年代でTOP2に入り、特に20代では5割台後半となり1位でした「昼の食事をしながら」では20代で約2割、「家事や掃除など身の回りのことをしながら」では30代で約2割でした。ひとりの時間やランチタイムを利用して動画配信サービスを見る人がいるようです。

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4.『テレビ番組』と『動画配信サービス』のよく見るジャンル

続いて「テレビ放送(リアルタイム/録画)を見ている」と回答した人にはテレビ番組でよく見るジャンル、「動画配信サービスを見ている」と回答した人には動画配信サービスでよく見るジャンルについて聞きました。

よく見ている『テレビ番組』のジャンルをみると、全体TOPは「バラエティ」で約6割。次いで「国内ドラマ」「ニュース/報道」が4割台で続きます。6位には「情報/ワイドショー」、10位には「クイズ」がランクインこれらのジャンルは『動画配信サービス』に比べて10ポイント以上高くなっていました。前項でもテレビ番組を見るタイミングは、食事中や身じたくをしながらといった項目が上位でしたが、朝の登校・通勤前にニュースをチェックしたり、食事中にバラエティ番組を楽しんだりするのかもしれません。

よく見ている『動画配信サービス』のジャンルをみると、全体TOPは「アニメ/特撮」で36.6%。次いで「音楽」「国内ドラマ」「バラエティ」が3割台で続きます。全体TOPの「アニメ/特撮」や6位以降の「海外映画」「趣味/教養」「海外ドラマ」が『テレビ番組』に比べて6ポイント以上高い結果でした。アニメ、ドラマ、映画などは多く配信され、オリジナルのコンテンツなどもあり『動画配信サービス』のジャンルとして人気のようです。

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5.年代別『テレビ番組』と『動画配信サービス』のよく見るジャンル

最後に年代別によく見ているジャンルをご紹介します。
よく見ている『テレビ番組』のジャンルでは、すべての年代で「バラエティ」がTOPとなり、20代と30代では6割超と高くなっていました。40代と50代では「国内ドラマ」や「ニュース/報道」「情報/ワイドショー」の割合が他の年代に比べて高めでした。『テレビ番組』のジャンルでは全体的に年代が上がるほど割合の高い項目が多い傾向にありました。TOP5には入りませんでしたが、10代は「クイズ」の割合が高く、中でも12~15歳では男女ともに2割超となりました。30代は「こども/教養」が9位にランクイン。また、「音楽」や「国内ドラマ」は女性のほうが男性に比べて10ポイント以上高くなりました。

よく見ている『動画配信サービス』のジャンルでは、10~30代で「アニメ/特撮」がTOP、特に10代と20代では5割弱と高めでした10代と20代では「音楽」も割合が高く上位となりました。20代以降では、「国内映画」と「海外映画」が2割台となり、50代では5位以内にいずれもランクインしました。また、「趣味/教養」は10代では5位でした。

男女別にみると、女性は「国内ドラマ」が顕著に高く男性に比べて20ポイント以上の差があり、女性20代では4割超となりました。男性は「アニメ/特撮」が女性に比べて8ポイント以上高い結果でした。

『テレビ番組』と『動画配信サービス』では、視聴ジャンルの傾向に違いがみられました。見たい番組・コンテンツや視聴タイミングによって、サービスを使い分けて楽しんでいるのかもしれません。

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計3回にわたってテレビ・メディアの視聴実態の調査結果をお届けしてきました。 「テレビ」と「動画配信サービス」の視聴実態を比較した今回の調査結果では、1日あたりの平均視聴時間は、「テレビ放送(リアルタイム/録画)を見ている」人は年代が上がるにつれて、「動画配信サービスを見ている」人は若年層ほど視聴時間が長くなる傾向にありました。視聴しているタイミングやジャンルは『テレビ番組』と『動画配信サービス』の特徴がわかる結果となりました。さまざまなデバイスが普及している現在、生活スタイルに合わせてデバイスやサービスを使い分けて番組やコンテンツを楽しめるといいですね。


【関連調査】

テレビ・メディア視聴実態調査


【調査について】

LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の12歳~59歳の男女
実施時期:2023年5月31日~6月5日
有効回収数:50,000サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります

【調査データの引用・転載について】

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